MAP26:IRC/MUDS/MODS およびその他の "TALKERS"                       パトリック・クリスペン                            畠山 孝 訳   「未来は過去とは違うもの」        −ローレンス・ピーター「ヨギ」ベラ(訳中1)   IRCについて何を書くべきか決めようとしていたとき、「 EFF's Guide to the Internet(EFFからインターネットへのガイド)」が、たぶん私の見た 中でIRCに関するものの中で、最もすぐれた論議であろうということが分 かりました。 EFF's Guide to the Internet より 多くのネット・システムは一連の相互サービスにアクセスがあり、世界中の 人々と "Chats(会話)"したりオンライン・ゲームを楽しんだりすることが できます。あなたのホストシステムがこのような機能を持っているかどうか を知るには、そのシステム管理者に尋ねるか、ちょっと試すかしてみてくだ さい−−試してみてなにも起こらなければ、あなたのシステムはそれを提供 していないのです。一般的には、あなたのシステムが telnet、またはFTP にアクセスすることができれば、これらのサービスをご利用できる可能性は 高いでしょう。 会話プログラムの中では「インターネット・リレー・チャット(IRC)」 が最も知られています。 IRCというのは、利用者がキーボードを使用して、世界中の誰とでも「生」 の会話を楽しめるプログラムです。これはあるインターナショナルなCBラ ジオと非常によく似ています−「チャンネル」すら使用しています−。自分 のコンピュータに何かをタイプすると、同じチャンネルをたまたま開いてい る世界中の人々にただちにあなたのメッセージが伝えられます。すでに存在 している公開された会話システムに参加することも、自分個人のを作ること もできます。つまりあなた自身と他に一人でもふたりでもいれば、その人と 私的なチャンネルを作ることもできるのです。またちょうどCBラジオのよ うに、あなた独自の「ハンドル名」やニックネームをつけることも可能なの です。 IRCは現在、オーストラリア、ホンコンからイスラエルまで、20カ国を 結んでいます。残念ながらテルネットと同じく、あなたのサイトがこのシス テムをそなえていなければ利用は不可能です。もしもあなたのホストシステ ムが利用を可能にしているならば、    irc とだけタイプし、入力キーを押します。するとスクリーンに次のようにあら われます: *** Connecting to port 6667 of server world.std.com *** Welcome to the Internet Relay Network, adamg *** Your host is world.std.com, running version 2.7.1e+4 *** You have new mail. *** If you have not already done so, please read the new user information *** with +/HELP NEWUSER *** This server was created Sat Apr 18 1992 at 16:27:02 EDT *** There are 364 users on 140 servers *** 45 users have connection to the twilight zone *** There are 124 channels. *** I have 1 clients and 3 servers MOTD - world.std.com Message of the Day - MOTD - Be careful out there... MOTD - MOTD - ->Spike * End of /MOTD command.        ・・・チョキ チョキ チョキ・・・ あなたはこれでチャンネル0、いわゆるゼロチャンネルにおり、いろいろの ヘルプファイルを見ることができますが、他には特にこれといったものはあ りません。見えているように、IRCがスクリーンの殆どを占めています。 上段はメッセージが現れるところです。そして下段は、あなたがIRCコマ ンドとメッセージをタイプするところです。IRCコマンドはすべて/(ス ラッシュ)で始まります。このスラッシュであなたがメッセージではなくコ マンドを打ちこもうとしているのだということを、コンピュータに知らせま す。そしてどのチャンネルが利用可能かを見るためには /list とタイプし、エンターを押します。すると次のようになります。  *** Channel Users Topic *** #Money 1 School CA$H (/msg SOS_AID help) *** #Gone 1 ----->> Gone with the wind!!! ------>>>>> *** #mee 1 *** #eclipse 1 *** #hiya 2 *** #saigon 4 *** #screwed 3 *** #z 2 *** #comix 1 LET'S TALK 'BOUT COMIX!!!!! *** #Drama 1 *** #RayTrace 1 Rendering to Reality and Back *** #NeXT 1 *** #wicca 4 Mr. Potato Head, R. I. P. *** #dde^mhe` 1 no'ng chay? mo*? ...ba` con o*iiii *** #jgm 1 *** #ucd 1 *** #Maine 2 *** #Snuffland 1 *** #p/g! 4 *** #DragonSrv 1 IRCは多数のチャンネルを持っているので、もしかすると一覧表が長すぎ てスクリーンをはみ出してしまうかもしれません。その場合は、スクリーン・ カプチャー(画面静止)(訳注2)を押し、全一覧表を保持します。これら のチャンネルは番号ではなく、名前を持っています。そして一覧表の各ライ ンは、チャンネル名、人数、そして特定の話題があるかないかを表示します。 他のチャンネルを選ぶには次のようにタイプします。 /join #channel #channel のところはチャンネルの名で、エンターを押します。「公開」チ ャンネルの中には、実際には、すでにそれらのチャンネルにいる人からの招 待を必要とするものもあります。この招待を得るためには次のようにします。 /who #channel-name #channel-name はチャンネルの名前です、エンターを押します。次に名前の 隣に@を持った人に、そのチャンネルに入ることができるか訊ねます。チャ ンネルに入るときは常に#を入れることを忘れずに。人数のついているチャ ンネルをえらんでください、このようにして、IRCが稼働中であることが 分かるからです。 交信量の多いチャンネルでは、あなたが入り次第、すぐにスクリーン上部は メッセージで埋まってしまいます。各文章は使用者のIRCニックネームで はじまり、次にメッセージが続きます。 最初はものすごく複雑に見えるかもしれません。会話が2つも3つも同時に 進行したり、時折メッセージがひじょうに頻ぱんに入ってくるので、どうや ってみんな読んでよいかわからないかもしれません。 しかしやがてそのチャンネルのリズムにも慣れ、いろいろなことが分かって きます。もう2セント払ってもよいと思うようになることでしょう。(あな た宛てのメッセージがすぐに出てくることもありますが、驚かないでくださ い;チャンネルのなかには、新入者をただちに歓迎するものもあります。) これらの会話に入るには、あなたのメッセージを下段にタイプし、(コンピ ュータはスラッシュで始まらない文章はメッセージとみなします)エンター を押します。 全員向けのメッセージは、その人のニックネームにかっこが下のようにつき ます。 (訳注3) で、もしもあなたが誰かから個人的なメッセージを受けたのであれば、下の ように彼の名前の前後に星印が付きます。 *tomg* ここで便利なIRCコマンドを下記します: /away もしも台所で火事が起こり、あなたが一時消火に走らな  くてはならないときに、このコマンドで他の使用者に、  あなたがまだチャンネルを降りたのではなく、一時的に  コンピュータやターミナルから離れるということを知ら  せます。 /help これでヘルプファイルのあるコマンド一覧表をスクリー  ンに出します。topic: というプロンプトが表れるので、  情報のほしい題をタイプし、エンターを押します。この  ヘルプファイルから出るには単にエンターのみを押しま  す。 /invite で他のIRCに、仲間に入れてと希望します。 /invite fleepo #hottub          とタイプすれば fleepo さん(訳注4)に #hottub チ  ャンネル(訳注5)に入れてほしいと要請したことにな  ります。このチャンネル名(#hottub )はオプションで  す。 /join 他のチャンネルに移る、又はあなた独自のチャンネルを    新しく開くには /join #hottub とします。もしもあなたの選んだチャンネルが既に存し 非公開のものでない場合はそこに入ることになります。 もしも存在しない時には、あなたがそのチャンネルを開 いたことになります。この時名前の前に#を入れること を忘れずに。 /list 公開チャンネルの一覧表、トピック(もしも、それがあ  れば )、現在の参加人数を見るためのコマンドです。  ここでは非公開のチャンネルは表示されません。 /m name その名前の使用者に個人的なメッセージを送ります。 /mode このコマンドで、あなた自身の作ったチャンネルにだれ  が入れるかを定めます。 /mode #channel +s で「隠し」チャンネルを作ります。(s は secret) /mode #channel +p これでこのチャンネルを非公開にします。 (p は private) /nick このコマンドで、他人があなたを見るときのニックネー  ムを変えます。 /nick fleepo これで現在のセッションでのあなたのニックネームを fleepo とします。/whois を用いてEメールアドレスを 見つけることができます。もしもあなたの選んだニック ネームが既に他人に使用されているチャンネルに入ろう としている場合、IRCは他の名前を選ぶように要求し てきます。(訳注6) /query このコマンドであなたと他のIRC使用者との間に、非 公開を設定します。これを実行するには、 /query nickname とタイプします。これ以後タイプするメッセージはどれ も、その人のところのみにゆきます。そして、また、彼 女が、 /query nickname と、 nickname のところにあなたのニックネームを打ち こめば、あなた方は、非公開の会話を設定したことにな ります。この画面から脱け出すには /query とだけタイプします。あなたがこの query mode に入っ ている間も、あなたも相手の人も、そのチャンネルの他 の人達の会話を”聞く”ことができますが、あなたも相 手も、メッセージに答えることはできません。 /quit IRCから降ります。 /signoff IRCから降ります。 /summon IRCを持つホストシステムに接続しているだれかに、 IRCの仲間に入れてくれるように依頼します。その使 用者のEメールアドレスを完全に使わねばなりません。 /summon fleepo@foo.bar.com このようにタイプすれば、fleepoさんに,IRCを開始 するように依頼するメッセージを送ったことになります。 相手がそのことを理解しているのでなければ、ただ単に summon してみるというのは通常、よい考えとはいえま せん。そうでもなければ;その相手はあなたの要請を迷 惑至極と感じるかもしれません。そしてこのコマンドは すべてのロケーションに共通というわけではないのです。 /topic 新しくあなたのチャンネルを開設したときに、このチャ ンネルは何についてなのかを他の人たちに知らせるのに、 このコマンドを用います。 /topic #Amiga          これであなたのチャンネルは、 Amiga computer のこと について討議するものだということを、/list を用いる 人たちに知らせます。 /who 特定のチャンネルの使用者のEメールアドレスを見ると きに使います。 /who #foo          とすれば fooチャンネル上の全ての使用者のアドレスを 見れます。 /who とだけタイプすると、その時にIRCを使用している全 員のアドレスを見ることができますが、多数の人達が IRCを使っているような夜は、500人程の名前が出 てくるので要注意! /whois このコマンドで特定のIRC使用者と、または現在使用 している人達の情報を得ることができます。 /whois nickname         これでそのニックネームを使っている人のEメールアド レスを出します。 /whois *          とすれば全チャンネルの全使用者の一覧表が見られます。 /whowas /whoisと同様ですが、最近IRCから脱けた人の情報を 得ます。 IRCは、ビッグ・ニュースの最新の情報を得ることができる新しいメディ アとして知られるようになってきました。1993年、ロシアの政治家達が 国会にたてこもったときには、企業心に富む何人かのモスクワの人と2、3 のアメリカ人がIRC上に「新しいチャンネル」を作り、モスクワから生の 情報を得ました。このチャンネルは、その日のニュースを20分おきに繰り 返し流すニュースラジオ局のように、新しいニュースを繰り返し報送するた めに、設けられました。また、1994年にはロスアンジェルスの市民達が 同様のチャンネルを作り、 Northridge の地震の状況報告リレーしました。 そしてどちらの場合にもチャンネルの記録は、生中継に「チャンネルを合わ せられ」なかった人のために、ネットのどこかにアーカイブとして残されて います。 このようなチャンネルを将来見つけるためにはどうしたらよいでしょう。 /list コマンドを使い、利用可能なチャンネルを探します。もしも特定の緊 急の事柄を討議するためにチャンネルがすでに設けられてならば、そのチャ ンネル名の隣に簡単な説明があって、それが、チャンネルを合わせる場所だ ということが分かります。 (1) −−−− 筆者より: もしもあなたのサイトがIRCアクセス機能を持っていない場合でも他のタ イプの "talker" にアクセスすることが可能です。それにはテルネットを使 いMUD、又はMOOに入ります。 "MUD" とは Multi-User Dungeons(又は Multiple User Devices)の略 で、そもそも初めは世界中の Dungeons や Dragon プレイヤー(ロール・プ レイ・コンピューターゲーム)が世界中のプレイヤーと、リアルタイムでゲ ームを楽しめるように作られたものです。 MUDは、しかし、もうドラゴン征伐にかぎられてはおりません。それより も大多数のMUDは教育手段として使われており−私が今、このロードマッ プを*リアルタイムで*教え、今私がタイプしている文字を同時にあなたが 見ていることを考えてみてください−そしてあなたが座ったままで、世界中 の人達と「話す」ことができる社交MUDすらあるのです。 いくつかのMUDへのテルネットアドレスは、 Yanoff's List(先日お話し しました)で見つけられます。ただ殆どのMUDコマンドはIRCコマンド と異なります−*コマンド*は違いますが、基本的な機能はほとんど同じで す−が、たいていのMUDは、多量のヘルプ・メニューが付いております。 "MOO" とは、MUDs: Object-Oriented の略で、テキストベースの 「virtual reality アドベンチャー」です(2)。説明がひじょうに難しい ので・・・。実際に使ってみるしかないでしょう。 "Talkers" を使用するにあたり、4つの忠告をさせていただきます。    1.IRC、MUDs、そしてMOOsは、あなたの時間を*スポン  ジの如く扱い取ってしまう*ので要注意!(経験から言っている  のです−−私は2*日*以上、まる48時間以上、公開MUDに  つづけて login してしまったことがあるのです!!)    2.多くのインターネットサービス提供者は、ビジネスアワーに  "chat" サービスに接続するために彼らのシステムを使うことに  眉をひそめます(理由は明らかですよね)。各 talker に参加す  る*前に*、その提供者の方針をお調べください。    3.この "chat" サービスは、嘘つきを吸いよせるように思えます。 人びとは彼らの「イメージ」を上げるために事実以上、必要以上 の事をでっちあげます。"Talkers" で聞いたことの全部が全部、 よくても誇張、最悪の場合まっ赤な嘘だということに充分注意し てください。    4.社交MUDのどれかで、SimGod という名前の "ROLL TIDE" とい う言葉を繰り返している者をみつけたならば、要注意・・・彼は リスです。:)(訳注7)     資料: (1) The EFF's Guide to the Internet, 許可を得て転載。 (2) Internet User's Glossary at Gopher dewey.lib.ncsu.edu, the keyword: MUD を使って検索。 (訳者注) (1)ローレンス・ピーター「ヨギ」ベラとは米大リーグの野球選手。 (2)"Screen Capture"は、もしくは "Pause"キーです。 (3)"fomg"とは仮想のニックネームでしょう。 (4)"fleepo"も上に同じ。 (5)"hottub"とは日本でいう「バブル風呂」 (6)"/nick" の"/whois"とはUNIXの言語で誰が logged in している    か見るもの。 (7)筆者(クリスペン)は自分を「リス」と名のっています。 Roadmap 原作著作権所有者   (c) 1994 Patrick Douglas Crispen                PCRISPE1@UA1VM.UA.EDU 翻訳者            畠山 孝                 takashi@holly.acns.colostate.edu Roadmap Lessons 日本語版著作権所有者     (c) 1995 Reiko Sekiguchi                sekiguch@ulis.ac.jp 本稿は、1995年3月19日、パトリック・クリスペン氏から関口が翻訳・ 配布の許可をいただいて、翻訳・配布しているものです。