MAP06:その他のメールサーバ                                  パトリック・クリスペン                         ジェームズ・ミルズ                       佐々木倫子・藤原祥三訳  「未熟な芸術家は模倣し、円熟した芸術家は盗用する。」                -- Lionel Trilling, Esquire誌より 私は皆さんに誇りを持って申し上げますが、このレッスンは決して一言たり とも私の創造の産物などではありません:) 実は、このレッスンに当たって、(Saint Louis 大学法律図書館のコンピュ ータサービス主任を務めている)James Milles 氏の許可を得て、彼の "Discussion Lists: MailServerCommands"というファイルを使わせてもら いました。このことに関し、彼には深い感謝の意を表します。彼は私の本の 「神」ともいうべき存在で、彼の支持は私にとって掛け替えのないものなの です。 さて、私たちは昨日、いくつかの基本的なLISTSERVコマンドを取り扱いまし た。今日は、いくつかのさらに上級のLISTSERVコマンドと、他のメールリス トサーバのためのいくつかの新しいコマンドも紹介していくことにしましょ う。これらの追加するメールリストサーバには、Listproc、Mailbase、 Mailserv、そしてMajordomoといったものが含まれます。 LISTSERVと違って、だれかが言わなければ、メール・リングリストが Listproc、Mailbase、Mailserv、Majordomoのどれで稼動しているか知る方 法はありません。そこで、今日のレッスンは昨日やったLISTSERVのいくつか のコマンドを復習し、さらにLISTSERVの新しいコマンドをいくつか紹介する とともに、あなたがたが後々使うことがありうる他のメールサーバのコマン ドの参照シートを紹介します。 ディスカッションリスト:メールサーバのコマンド Version 1.21 July 28,1994 James Milles Saint Louis University Law Library millesjg@sluvca.slu.edu 1. Eメールディスカッションリストはインターネットを通じて行うグルー プコミュニケーションの最もポピュラーな方法の一つです。ディスカッショ ンリストでは、グループコミュニケーションのために少なくとも次の2つの 基本的な機能を提供しています。 (1)たった1つの中心的なアドレスにメッセージを送ることで、一群の人 々にメッセージを配送する能力 (2)リストへの登録・登録抹消がいつでも本人だけでそっと行える能力 1.1. このような2つの別々の機能を提供するために、Eメールのディ  スカッションリストには、典型的にはそれと関連する次の2つのアドレス  があります。  (1)"listname address"、つまりそのリストの登録者に読んでもらうつ  もりで送るメッセージの宛て先としてのアドレス  (2)"administrative address"、つまりあなたのリストの登録に関係す  るコマンドやリクエストへの送り先のアドレス  わかりにくければ、あなたがたが購読している地方紙に置き換えて考える  といいでしょう。つまり、(1)のアドレスとは「主筆への手紙」に幾分  似ており、(2)のアドレスは新聞販売営業所にたいする手紙に似ていま  す。  1.2. ほとんどのディスカッションリストにおいて、"administrative    address"とは、外部の干渉なしに自動的に登録・登録抹消を管理するコン    ピュータプログラムです。インターネットのディスカッションリストを管  理するのに使われるメールサーバプログラムは少なくとも5つのあります。 REVISED LISTSERV(又は BITNET LISTSERVともいう)、Unix List Processor(又は Lostprocともいう)、Mailbase、Mailserv、Majordomo  です。登録・登録抹消用のコマンドは、これらのプログラムにおいてはほ    とんど同じです。しかし、用いると大変便利であろうその他のコマンドに  ついては、プログラムによって大変違っでおり、他のプログラムが有して ない機能をあるプログラムが有しているということもあります。 1.3. この文書では、これらのプログラムのどれかによってサポートさ れているすべての機能を説明することは不可能ですから、最も一般的に使   われているものだけを説明します。これらのプログラムのどれかについて  もっと情報がほしければ、あなたがたが情報が欲しいと思っているメール サーバに"help"とだけ書いたメッセージを送ってみて下さい。このような 追加のプログラムやコマンドについては、いつかこの文書を改訂する機会  に恵まれたときに付け加えることにします。 1. 4. またこの文書では、"listname-request" にメッセージを送って  登録するタイプのディスカッションリストについても扱っていません。こ  のようなタイプのディスカッションリストは非常に沢山あります。リスト  オーナーが手動で管理している配布リストもあれば、簡単な文書プログラ  ムから、かなり複雑なメーリングリストプログラムまで、何らかの形態の  メーラーのソフトウェアを使って管理しているものもあります。また、登  録のリクエストを本文に書くことを要求するものもあれば、それを  Subject:行に書くことを要求するものもあります。このように、これらの  リストの維持の仕方が大変バラエティに富んでいるため、それらのコマン  ド機能 を一般化させることは不可能です。けれども一般に、  "listname-request" という administrative address を持っているディ  スカッションリストは、人間が保守をしているとみなしてよいでしょう。  したがって、"listname-request" があったら、簡単な英語で親しいあい  さつのメッセージを送って、登録するとよいでしょう。もしプログラムの  ほうで登録するための指示を与えてきたら、それに従ってください。 1. 5. この文書の最新版はEメールと anonymous ftp で入手できます。   Eメール: LISTSERV@UBVM.cc.buffalo.edu.宛に次のメッセージ一行の   みを入れて送って下さい。 GET MAILSER CMD NETRAIN F=MAIL FTP:Anonymous ftp で  ubvm.cc.buffalo.edu 宛に cd/nettrain get mailser.cmd -- 又は -- anonymous ftp で      sluaxa.slu.edu 宛に cd/pub/millesjg get mailser.cmd 2. リストに登録すると、あなたがたそのリストの目的や登録抹消の方法 が記された歓迎メッセージを受け取るのが典型的です。その時そのメッセー ジを大切にとっておくことが大事です。そのメッセージによって、そのディ スカッションリストを動かしているプログラムが何かといったことや、その 他の知りたいことの入手方法について知ることが出来ます。  2. 1. メールサーバは次に示すように、紛らわしい傾向にあります。多  くの人が、どんなものでもリストメールサーバプログラムを表すのに、総  称的に"listserv"という語を使っています。さらに悪いことには、  UnixList Processor(listproc) プログラムは、始めは、REVISED LISTSERV と同じように、"listserv"と呼ばれていました。listprocのホストコンピ  ュータの多くはいまだに"listserv"という名前を用いており、それらは、  "listproc@host" という正しい名前宛のコマンドも、 "listserv@host"  という名前宛のコマンドも同じように受け入れてしまいます。  2. 2. いつもという訳ではないですが、たいてい、メッセージの最初の  部分を調べてみると、どのプログラムのもとでデスカッションリストが動  いているのかが分かります。例えば、listproc リストには "Unix List Processor" という行がどこかに含まれています。しかしなが ら、最も良い方法は、登録する際に受け取った歓迎メッセージを保管して、 使用できるコマンドをメモしておくことです。 3. コマンドを送るときはいつでも、"listname address" にではなく、 "administrative address" --mailserver@host--に送らなければならないこ とを忘れないでください。メールサーバとはリストを維持するプログラム (Listproc、LISTSERV、Mailbase、Mailserv、Majordomo といった)のこと であり、ホストというのはホストコンピュータのアドレス(例えば、 ucdavis.edu 又は cleo.murdoch.edu.au)を示します。  3. 1. subject 行は必ず空白にしておいてください。また、あなたの  メーラーでできるのなら、シグネイチャファイルは消しておいてください。  3. 2. mailserver@host へのメッセージにはいつでもリストの名前を記  さなくてはなりません。メールサーバサイトのほとんどは多数のいろいろ  なディスカッションリストを維持しており、したがって、メールサーバに  どのリストのことをいっているか知らせるのは欠かせないことなのです。  3. 3. 例えば、law-lib@ucdavis.edu というディスカッションリストに  登録するためには、listproc@ucdavis.edu. に宛てて、Eメールで次のコ  マンドだけ含むメッセージを送ってください。 SUBSCRIBE LAW-LIB John Doe  以下、その他使われている例を次にあげます。 INT-LAW@UMINN1.BITNET(REVISED LISTSERV の場合)   law-europe@mailbase.ac.uk(Mailbase の場合) envirolaw@uoregon.edu(Mailserv の場合)     elaw-j@cleo.murdoch.edu.au(Majordomo の場合) --------------------------------------------------------------------- リストに登録する: Listproc: SUBSCRIBE  リスト名  ファーストネーム  ラストネーム (例えば、SUBSCRIBE LAW-LIB John Doe) LISTSERV: SUBSCRIBE  リスト名  ファーストネーム  ラストネーム (例えば、SUBSCRIBE INT-LAW John Doe) Mailbase: JOIN  リスト名  ファーストネーム  ラストネーム (例えば、 JOIN LAW-EUROPE John Doe) Mailserv: SUBSCRIBE  リスト名  ファーストネーム  ラストネーム (例えば、SUBSCRIBE ENVIROLAW John Doe) (リストのメールを受け取るためのEメールのアドレスをつけ る時は:)   SUBSCRIBE リスト名 ファーストネーム ラストネーム アドレス Majordomo: SUBSCRIBE リスト名 (例えば、SUBSCRIBE ELAW-J) (リストのメールを受け取るためのEメールのアドレスをつけ       る時は:)   SUBSCRIBE リスト名 アドレス リストから登録抹消をする: Listproc: UNSUBSCRIBE リスト名 LISTSERV: UNSUBSCRIBE リスト名 Mailbase: LEAVE リスト名 Mailserv: UNSCRIBE リスト名 (他のEメールアドレスのもとで登録してある場合は次のように       してください。         UNSUBSCRIBE リスト名 アドレス) Majordomo: UNSUBSCRIBE リスト名 (他のEメールアドレスのもとで登録してある場合は次のように       してください。        UNSUBSCRIBE リスト名 アドレス) ダイジェスト版フォーマットのリスト(通常日毎あるいは週毎に、多数のメ ッセージを1つのメールに編集したもの)を受け取る:   Listproc: SET リスト名 MAIL DIGEST LISTSERV: SET リスト名 DIGEST Mailbase: 機能がありません   Mailserv: 機能がありません Majordomo: SUBSCRIBE リスト名-DIGEST (同じメッセージで、原文が不要であるとする時:)          UNSUBSCRIBE リスト名 (注:ダイジェスト版を持つプログラムでは、ダイジェストフォーマットを 提供するかどうかはリストオーナーの判断によります。したがって、すべて のリストがダイジェスト版を提供しているわけではありません。) ダイジェストフォーマットをキャンセルする;リストは別個のメールとして 受け取る: Listproc: SET リスト名 MAIL ACK LISTSERV: SET リスト名 MAIL Mailbase: 機能がありません Mailserv: 機能がありません Majordomo: UNSUBSCRIBE リスト名-DIGEST   (同じメッセージで原文がほしいと申し込むときは:)     SUBSCRIBE リスト名 (登録抹消をせず)一時的にメールを中止する: Listproc: SET リスト名 MAIL POSTPONE   LISTSERV: SET リスト名 NOMAIL Mailbase: SUSPEND MAIL リスト名 Mailserv: 機能がありません   Majordomo: 機能がありません メッセージの受け取りを再び始める:   Listproc: SET リスト名 MAIL ACK -- 又は -- SET リスト名 MAIL DIGEST LISTSERV: SET リスト名 MAIL -- 又は --          SET リスト名 DIGEST Mailbase: RESUME MAIL リスト名 Mailserv: 機能がありません Majordomo: 機能がありません 自分のメッセージのコピーを受け取る:   Listproc: SET リスト名 MAIL ACK LISTSERV: SET リスト名 REPRO (自分のメッセージがリストに送られたという知らせ         のみを自動的に受け取る様にする時は、次のコマン    ドを送って下さい:) SET リスト名 ACK Mailbase:標準的な機能で、いつでも受け取ることになっています。   Mailserv: mailbase と同じ   Majordomo: mailbase と同じ 自分のメッセージのコピーを受け取らない: Listproc: SET リスト名 MAIL NOACK LISTSERV: SET リスト名 NOREPRO Mailbase: 機能がありません   Mailserv: 機能がありません   Majordomo: 機能がありません 登録者のリストを手に入れる:   Listproc: RECIPIENTS リスト名 LISTSERV: REVIEW listname F=MAIL (名前や国名でもソートできます:)         REVIEW リスト名 BY NAME F=MAIL -- 又は -- REVIEW リスト名 BY COUNTRY F=MAIL Mailbase: REVIEW リスト名 Mailserv: SEND/LIST リスト名 Majordomo: WHO リスト名 登録者のリストに現れないように、自分のアドレスをかくす:   Listproc: SET リスト名 CONCEAL YES (リストに現われるようにするときは:) SET リスト名 CONCEAL NO LISTSERV: SET リスト名 CONCEAL (リストに現われるようにするときは:)     SET リスト名 NOCONCEAL Mailbase: 機能がありません Mailserv: 機能がありません Majordomo: 機能がありません メールサーバによって維持されているリストの一覧表を得る: Listproc: LISTS LISTSERV: LISTS     (既知のすべてのリストの一覧表を入手する          ために次のコマンドを送ってください。          LISTS GLOBAL         リストの記述中にあるキーワードや文字列を含んだ           LISTSERV リストを探すためには次のコマンドを送          るとよいです。    LISTS GLOBAL /キーワード 例えば、 LISTS GLOBAL /LAW.) Mailbase: LISTS Mailserv: DIRECTORY/LIST Majordomo: LISTS ある特定のリストを得るためにアーカイブファイルの一覧表を入手する: Listproc: INDEX リスト名 LISTSERV: INDEX リスト名 Mailbase: INDEX リスト名 Mailserv: INDEX リスト名 Majordomo: INDEX リスト名 アーカイブファイルを取ってくる:   Listproc: GET リスト名 ファイル名 (例えば、 GET LAW-LIB feb94) LISTSERV: GET ファイル名 ファイルのタイプ リスト名 F=MAIL (例えば、 GET INT-LAW LOG9406 INT-LAW F=MAIL) Mailbase: SEND ファイル名 (例えば、 SEND LAW-EUROPE 05-1994) Mailserv:  SEND ファイル名 (例えば、 GET ENVIROLAW smith.txt) Majordomo: GET リスト名 ファイル名 (例えば、 GET ELAW-J BOYLE.TXT) キーワードでアーカイブの中の文書を探す(アーカイブのある場合--リスト の中にはアーカイブを維持していないものもあります。): Listproc: SEARCH リスト名 "キーワード" "&"、(and)、"|"、(or)、"~"や(not)といった        記号をつかって Booleanの検索方法が可能です。        例えば、"mead"とか"mdc"とかいった語をlaw-libで探した いときは、次のようにコマンドを送ってください。 SEARCH LAW-LIB "mead|mdc" LISTSERV: LISTSERV は精巧で強力な検索エンジンを用いています。         それは”それらしい”適合語を見つけるといった素晴らし         いことをたくさんします。しかしながら、質問を構成する         のに難しいバッチでプログラムした検索言語を使っていま         す。自分のインターネットのアカウントの中に、”テンプ         レートファイル”を保持しておき、検索が必要なときにそ         のファイルを適当に編集するのが一番よいようです。         ここにその検索ファイルを示します。 // JOB Echo=No Database Search DD=Rules // Rules DD * Search nafta in int-law scince 93/6/1 Index / *         検索するためには、このファイルをEメールメッセージの         中に入れて LISTSERV@[host] に送ってください。         Searchで始まる行は必要に応じて書き換えてください。         日付はオプションです。" " でくくって入れ子(ネスティ         ング)にした Boolean の組み合わせやその他非常に多く のことができるようになっています。LISTSERV の検索機         能について詳しいことが知りたい場合は、次のコマンドを LISTSERV@UMINN1.BITNET 宛に送ってください。           GET LISTDB MEMO F=MAIL         あなたがたの質問とと合致したメッセージの一覧表を受け         取ったら、もう一度メッセージを LISTSERV@[host] へ送         ってあなたの欲しい特定のメッセージを取ってください: // JOB Echo=No Database Search DD=Rules //Rules DD * Search nafta in int-law scince 93/6/1 Print all of 636 637 640 / *   Mailbase: Mailbase リストのアーカイブは Mailbase Gopher          (gopher mailbase.ac.uk)を通して検索できます。 Mailbase にはEメールでリクエストするバッチ検索機          能はありません。)    Mailserv:  機能がありません    Majordomo: 機能がありません Roadmap 原作著作権所有者   (c) 1994 Patrick Douglas Crispen                PCRISPE1@UA1VM.UA.EDU                 James Milles                millesjg@sluvca.slu.edu 翻訳者            佐々木倫子                sasakitm@ipc.akita-u.ac.jp               藤原祥三                fujiwara@anna.ics.teikyou-u.ac.jp Roadmap Lessons 日本語版著作権所有者     (c) 1995 Reiko Sekiguchi                sekiguch@ulis.ac.jp 本稿は、1995年3月19日、パトリック・クリスペン氏から関口が翻訳・ 配布の許可をいただいて、翻訳・配布しているものです。